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福島原発事件
by 日詰明男
ついに最も恐れていた原発事故が起こってしまった。

地震、津波、火災による壊滅、そして過酷な避難生活。
数万人に及ぶであろう死者。
1000年に一度の超弩級天災である。
それでも希望を持って生き抜こうとする人々を報道は伝える。
自然災害に限定されていたならば、諦めもつくし、希望も見つけられる。
世界中から集まる同情や励ましも素直に受け入れられる。
事実、歴史を見ても、人はどんな天災にあってもたくましく復興を遂げてきた。

さあ復興という気運が生まれるか生まれないうちに、それを踏みにじるように、本来なくても良かった原子力発電所の崩壊が次々と起こった。
これはあまりにも過酷である。
目に見えず、静かな、そして半永久的に続く、容赦ない津波がじわじわと押し寄せている。
この津波には緊急退避してしのぐ最寄の高台もない。
この不可視の津波には救いが見出せない。
前政権や企業の宣伝するまま、原子力発電所建設を許してきた私たちの自己責任である。
野放図に原子力発電を増やし、ほしいままの電化生活を享受してきた報いである。
運よく地震や津波を逃れた人を、ふたたび谷底に突き落とすような仕打ちである。

福島原発の冷却機能喪失の第一報が報じられた時、まず私の脳裏に浮かんだのは30年前に見た映画「チャイナ・シンドローム」だった。
以後私はあらゆる報道から目が離せなくなった。
固唾を呑んで現在もできる限りの情報を注視し続けている。

にもかかわらず、マスメディアは昨日あたりから通常放送に戻りつつあり、バラエティ番組に興じている。事件性の大きさは浅間山荘事件の比ではないと私は思うのだが。
被災地以外の原子力発電所は自主的に停止する気配もない。
こんな危機意識の低さでいいのだろうか?
全世界の原子力発電所は即刻「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」に着手して欲しいというのが率直なところである。
完全に冷やして閉じ込めるまでに十数年、あるいは数十年かかるのだから、その猶予に起こりうる天災、人災、テロを考えれば、廃炉は早ければ早いほうが良い。

福島原発を封印するとなると、このモンスターの首に誰かが鈴を付けなければならない。
多くの人を救うために、放射線の雨あられを受け、爆発の危険や無駄死にを覚悟で立ち向かう行為は正真正銘の「英雄」である。
今回も既に放水作業など命がけの作業を行った多くの無名の英雄がいた。
英雄行為には最大級の尊敬をするが、しかし今回の英雄行為だけは何ともやりきれなさが残る。
子どもは別として、原発建設を放任した私たち大人は、英雄の献身によって救われる資格があるのだろうかと。
強欲から原発を推し進めてきた人たちは、英雄の死後もしめしめとまた原発から恩恵を受け続けるだけなのではないか。
つまりこの英雄行為はあまりにも報われないのである。

先日のテレビ画面で、津波で廃墟となった原子力城下町の、つい10日前までは賑やかに稼動していたであろう目抜き通りにかかる看板には「明るい未来・原子力」という文字が虚しく垣間見えた。

1000年に一度の天災だから許されるというものではない。
1000年に一度だろうが一億年に一度の天災だろうが、最悪の事態が想定される限り、原子力発電は作ってはならなかったのである。
「地球をうっかり壊しちゃった。」と子どものようにべそをかいても、尻拭いしてくれる親はどこにもいない。
原子力というモンスターを人間が制御できると奢り高ぶったことがそもそもの間違いだ。
福島原発事件はバベルの塔の崩壊に匹敵する黙示録的事件である。
日本のみならず原子力発電保有国すべてがその共犯者である。

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