2007-10-16 Tue [ コスタリカ ]
by 日詰明男
S様軍隊を持たず、決して多くない税収を惜しみなく教育や医療、福祉に使うコスタリカの現実を知れば、世界中のいたるところで市民革命が頻発するかもしれません。
だから大国の指導者はコスタリカを無視するか過小評価しようとするでしょう。
しかし、先日の国民投票の結果によると、アメリカによるコスタリカ引きずりおろし戦略はじわじわと進んでいるようです。
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「スローライフ」といえば、僕は昔から発酵現象に興味があって、食べ物も発酵したものが好きです。
熟成にどうしようもなく時間がかかるというところが好きなのだろうと思います。
待てば待っただけの甲斐がかならずあるのですから。
睡眠も一種の発酵なのだと思います。
「モナリザ」なんて発酵の極みですよね。
熱帯雨林の生態系も、一種巨大な発酵現象だと感じました。
唐突に聞こえられるかも知れませんが、「黄金比は幾何学的発酵だ」と以前から考えているのですよ。
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2007-10-10 Wed [ コスタリカ ]
by 日詰明男
コスタリカにおける対アメリカ自由貿易協定(TLC)の導入をめぐって行われた国民投票の結果は、賛成51.7%、反対48.3%という結果に終わった。投票率は60%だったという。
賛成したのは富裕層である。
「コスタリカよ、おまえもか!」という気分である。
この国民投票は現職オスカル・アリアス・サンチェス大統領の一存で決行された。
アリアス大統領は周知のように1986年から1990年まで大統領を務め、1987年にはノーベル平和賞を授与されている。
本来コスタリカ憲法では大統領は一回限りの任期で再選は禁止されていたのだが、数年前にアリアス陣営の圧力によって憲法が改正され、アリアスは例外的に2回目の大統領就任を許されたという経緯がある。
再選の弊害がこのような形で現れたことは、未来のコスタリカ人にとって悔やんでも悔やみきれない汚点となるであろう。
現在、小差だったこともあって票の数えなおしが選挙最高裁判所によって行われているそうだ。
たとえこのままTLCが批准されたとしても、賢明なるコスタリカ国民は簡単には引き下がらないだろう。
しばらく眼が離せない状況が続きそうである。
教訓
政治家の再選はろくなことにならない。利権の温床となるだけである。
まして世襲議員や代議士一族などありえない話である。
憲法を安易に変えてしまったことがそもそもの失敗である。
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2007-10-05 Fri [ 政治経済 ]
by 日詰明男
以前コスタリカ報告11で以下のように書いた。>たとえば投機行為は他人の損失を前提とした利益追求であり、
>これは正真正銘の悪意である。
>社会に寄生する「マフィア」の存在と実質的に同等である。
>にもかかわらず、現代経済は投機行為を前提とし、国家が
>それを奨励しているほどである。
>一億総マフィアになってどうするのか?
「投機のどこが悪い」と言う人も多いだろう。
まず「投機」と「投資」は区別すべきである。
そして現代経済のはほとんど投機的思惑で動いている。
近年のガソリンや穀物の高騰を見ればわかるだろう。
投機家の賭博行為によって広く浅くすべての人々が被害を受けている。
「投資」は東印度会社設立当時には意味のあるアイデアだったが、現在は「投機」に蝕まれて見る影もない。
なぜ投機=悪意なのか。その一例を書こう。
数年前、ちょうどブッシュ大統領がイラク爆撃をする直前のころの事である。
大手証券会社のベテラン社員が、株を手放そうとしている顧客にこう言ったのを私はこの耳で聞いた。
「戦争がはじまりそうですから、株価が上がるかもしれませんよ。」
平然とそういった台詞が出たのである。
これが悪意でなくてなんであろう?
おそらくその証券会社社員は微塵も自分の言動に疑問を持たず、今も実績を上げることに邁進していることだろう。
その人にとって世界は単なるゲームなのだ。
聖戦とされる戦争が、大国の権力者や軍需関連企業の利益のために引き起こされていることは周知の事実である。
しかしいまやどこにでもいる一般庶民までが自己の利益のために、他国の生命や財産が破壊されることを期待している。
みなその行動の意味を考ず、短期的視野と利己主義に基づいて投機ギャンブルをゲーム感覚で興じている。
爆撃の遠隔操作ボタンを押すペンタゴンと、投機に走るトレーダーは殆ど同じ行為である。
そして恐ろしいことに「投機をしていないから自分は悪に加担していない」と言い切れないのが現代資本主義社会の仕組みである。
なぜなら、私たちの支払った税金や預金、保険金のかなりの部分が、そのような悪意に資するべく運用されているからである。
「一億総マフィアになってどうするのか」と書いたことは決して誇張ではないのである。
ではどうすればいいか?
ましなアイデアはいくらでも考えられる。
変えようとしないのは人類の怠慢以外の何物でもない。
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