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茶原の竹舟(ちゃばらのたけふね)in 川根
by 日詰明男
2009年7月17日

茶畑のど真ん中にフィボナッチ茶室を建てた。
工期2日間。
広島千葉京都東京と遍歴を重ねた茶室だったが、ようやくここに落ち着いた。

目の前の茶葉を摘み、強烈なハーヴティーをその場でこしらえる「茶道」のかたちが見えてくる。
音楽もここで奏でられ、録音されることだろう。

いずれ、この茶室にアプローチする民主主義的階段も建設する予定である。
この階段の準周期リズムは飛石の代わりになるであろう。
客人は茶葉を摘みながらゆっくり階段を登り、心を静かに高揚させつつ躙口をくぐる、という趣向である。
ゆくゆくは、周囲の茶畑をニューロ・アーキテクチャ状に整備し、迷路庭園として仕上げる構想。
これはひとつの都市計画の実験。
最初の住人はチャノキというわけである。
植物にとっても風通しのよい街となるであろう。

いずれにせよ長期計画。
長生きしなければ。


|| 06:40 | comments (x) | trackback (x) | ||
民主主義的階段
by 日詰明男
民主主義階段
アトランタの個人邸宅に76段の民主主義的階段を作った。全長80mである。
秩父、オハイオ、フィティアンガ(ニュージーランド)に続き、今回が4本目である。
途切れのない一連の階段としては、今までで最も長いものになった。
自然の勾配にしたがって緩急がつけられ、なめらかな抑揚が生まれるように設計した。
こうして階段の上り下りは、無意識下での一幅の音楽的経験となる。

素材は当初丸太を予定していたが、たまたまホームセンターで目にしたアムトラック払い下げの枕木に施主と私の心が動き、土壇場で枕木を採用することにした。
2.6mほどのものが1200円ぐらいで、日本国有鉄道のそれより数段安い。
アメリカ開拓時代以来、恣に森林伐採してきた後の廃材を、このような形で再び生かすことはとても有意味である。

今回の土木作業ではグアテマラ人が毎日手伝ってくれた。
一日少なくとも5段出来れば十分と思っていたが、彼らの活躍で3倍以上の早さではかどり、雨にたたられながらも完成まで1週間とかからなかった。
昨年コスタリカで覚えた片言のスペイン語が、彼らとのコミュニケーションにとても役立った。
彼らは非常によく働く。
早朝から日暮れまで、雨が降ろうがなんだろうが土曜も日曜もなく、愚痴ひとつこぼさず、朗らかに働いてくれるのはありがたい限りだが、複雑な気分である。
聞けば、彼らの就労は一応違法だとのこと。しかし事実上彼らの労働力がないと現代アメリカ経済は成り立たないので、公然のものとなっている。
彼らの賃金はけっして高くはないのだろうが、その大半を故郷に送金し、手元には殆ど残らないのだそうだ。
僕は彼らに言った。コスタリカへ行くべきだと。

着工前の測量と設計に十分時間をかけただけあって、施工の誤差はほとんどなく、最後の一段は予定の位置で収まった。めでたしめでたしである。

その後、アメリカで活躍されているランドスケープ・アーキテクトのTakeo Uesugiさんが訪れ、排水の便を工夫してくださることとなった。踏面にも砂利と木片チップを撒いていただく予定である。

写真は仕上げ前の状態である。

施主は既に何度も上り下りされ、民主主義的階段特有の快適さを実感していただいたようだ。
「登れば登るほど疲れがとれる階段」というキャッチ・フレーズもあながち誇張ではない。

この階段を作っていつも思うことがある。
一段一段作るのは根気もいるし、大変な重労働ではある。
でも作れば作っただけの甲斐があるということを、こんなに直接的に体感できるものもあまりないのではないだろうか。
特に民主主義的階段は、段数が多ければ多いほど効果的である。

努力が過不足なく報われる、ということ。
このあたりまえのことが通用しないのが現代である。

ここに4種類の労働がある。

1. やり甲斐のある労働で、経済的報酬も得られる。
2. やり甲斐のある労働だが、経済的報酬が得られないもの。
3. 無意味な労働だが、経済的報酬は得られる。
4. 無意味な労働ゆえ、経済的報酬が得られないもの。

カテゴリー1と4は自明であり、自然の法則に沿うものであるが、人間社会で特徴的なのはカテゴリー2と3の存在である。

カテゴリー2の場合の代表例として、あまりに先駆的な芸術や科学が上げられよう。誰からも理解されないゆえに経済は発生しない。しかし作者自身はその価値を確信しているから、達成したときの満足度はお金などでは量れないのである。

問題はカテゴリー3である。
年度末調整公共土木工事や戦争に代表されるように、お願いだからやめて欲しい労働に対して、法外に充実した手当てが出ている現実がある。
これは癌細胞にだけ栄養を送るような逆噴射治療に等しい。
彼らの経済的報酬には根拠が無く、いつ消えても不思議はないことを本人が本能的に一番よく知っている。
その不安があるからこそ、このカテゴリーに属する人は際限なく強迫的に富を独占しようとする。

周りがこういう大人ばかりだから、青年はこぞってカテゴリー3を志し、それを「勝ち組」と呼ぶ。
カテゴリー3に比べれば、「ひきこもり」の方がはるかにましだと思うのは私だけだろうか。

こうしてカテゴリー1に属する人々、たとえば細々と暮らす腕のいい職人が社会から消えていかざるをえないのは嘆かわしいばかりである。


|| 09:04 | comments (x) | trackback (x) | ||
竹の結晶・氷の結晶・月の結晶
by 日詰明男
茶室夜景
photo: T. Ninomiya

昨年11月1日から12月31日までの2ヶ月間公開された竹の茶室「星ボックリCAFE」の記録を下記にまとめた。(mp3や動画あり)
http://starcage.org/chashitsu/chashitsu_jp.html
この異例の個展では、建築、幾何学、音楽の統合にとどまらず、「食」に始まる生活全般を織り込み、多くの人の共感を得られたという手ごたえがある。
建築の工法から、料理法、所作までゼロから発明したといっても過言ではない。
茶室の中で客人と交わす会話も不思議と奥深いものがあった。

普段は、自作の音楽「Golden Bell Tower」をBGMとして流したが、時々、この茶室をリスニング・ルームとして使い、お気に入りの音楽に聴き入った。
たとえば以下のような作品である。

Terje Isungset "Igloo"
Terry Riley "Shri Camel"
Somei Sato "MANTORA"
Stravinsky "Le Sacre de printemps"
Ravel "Bolero"
Akira Ifukube "Symphonic Fantasia No.1"
Clanado "Ri na cruinne"
Steve Reich "Tehillim"
Anton Webern "Variationen Fur Klavier Op. 27"
Arvo Parto "ALINA"
SUAR AGUNG "Jegog"
Roger Eno "Voices"
Tangerine Dream "Phaedra"
King Crimson "LARKS' TONGUE IN ASPIC"
John Cage "Three Dances"
Glenn Gould plays Bach
Pong Pee Shaka "Frog Song", "Reniala"
Enigma "Return to Innocence"

とりわけTerje Isungsetによる氷の音楽 "Igloo"が茶室内では抜群の響きだった。
氷の音がこんなにも深く、美しかったとは。
青い満月の下で聞く氷の音色は、まるで空気中の水蒸気が一瞬にして昇華したかのような響きだった。
氷のキンキンに張り詰めた音色が、周囲の竹に反響し、一種呪術的と言えるほどの音響に包まれた。

氷と竹はともに非金属でありながら、金属結晶の響きと不思議になじむものだ。
竹には水晶の主成分である珪素(Si)が多く含まれており、竹炭が硬く、いい音色で鳴るのはこのためだとも言われている。
また、水晶が採掘されるところに竹林ありとも聞いたことがある。
竹は鉱物的な植物と言えるかもしれない。
カタツムリがコンクリート壁を這い、カルシウムを摂取しているのは有名だが、同様に竹の表面を好んで這い、同様の足跡を残すことを私は日常的に目にしている。

次はぜひ水晶かダイヤモンドの響きをこの中で聴いてみたい。
いやどうせ聴くなら準結晶の響きかな。


|| 11:03 | comments (x) | trackback (x) | ||
星籠(スターケージ)テレビ出演
by 日詰明男
プレアデス
photo: Yukari Niizawa

今年の4月から始まったテレビ朝日系の深夜娯楽番組「さまぁ〜ず・さまぁ〜ず」の冒頭に、一瞬ですが僕の作品「星籠プレアデス」がアイ・ストップとして使われています。
これは昨年10月、東京丸ビルで展示した作品をそのまま転用したもの。
直径2メートルの巨大な星です。
テレビ番組の舞台制作を手がける会社の要請で、改めて組み立て直し、預けました。
3クール目に入り、ネット局も増えたようです。
いちどご覧ください。

放送データ
● テレビ朝日(EX) 毎週水曜 深夜0時45分〜
● 北海道テレビ(HTB) 毎週金曜 深夜1時10分〜
● 秋田朝日放送(AAB) 毎週水曜 深夜0時45分〜
● 福島放送(KFB) 毎週水曜 深夜1時20分〜
● 新潟テレビ21(UX) 毎週水曜 深夜0時45分〜
● 北陸朝日放送(HAB) 毎週水曜 深夜0時45分〜
● 山口朝日放送(YAB) 毎週木曜 深夜1時11分〜
● 琉球朝日放送(QAB) 毎週木曜 深夜1時10分〜


|| 10:35 | comments (x) | trackback (x) | ||
薔薇と海賊
by 日詰明男
向陽舎「薔薇と海賊」を見た。

http://koyosha.blog107.fc2.com/

意表をつく冒頭部から、気が付けば劇中に引き込まれていた。
2時間に及ぶ上演時間が全く長く感じられなかった。
面白い演劇である。
役者も生き生きと演じていた。
間口の広い作品だと思う。
照明や音響の演出も心憎いほど行き届いていた。

三島の戯曲をいくつか観たが、一貫してソクラテス=プラトンが指し示した「狂気のイデア世界」を現前させようとしているように見える。
それこそが真のリアリティなのだと。
劇中劇、劇中実、実中実、実中劇の階層が入り組んだ虚実の反転。
あらゆる価値観の転覆。
これ以上の革命があるだろうか。
それを三島は最後まで夢見た人だったのだろう。

人間が人間の演ずる劇を見て楽しむということ、それ自体が、考えれば考えるほど面白いことだ。楽しかった劇を見終わった後にいつも思う。
「演劇」という仕掛けもまたギリシャが起源である。
人間の滑稽さがとてもいとおしく、そんな人間に生まれてよかったと思う。

会場の天井からは色とりどりの色水が入った風船が吊るされていた。
それを主人公の松山帝一が玩ぶ。
幼児の頃(40年以上前)聴いた童謡「ドロップスの唄」を思い出した。

「むかし 泣き虫かみさまが
朝やけ見て 泣いて
夕やけ見て 泣いて
真っ赤な涙が ポロン ポロン
黄色い涙が ポロン ポロン
それが世界中に 散らばって
今では ドロップス
子どもがなめます ペロン ペロン
おとながなめます ペロン ペロン

むかし 泣き虫かみさまが
悲しくても 泣いて
うれしくても 泣いて
すっぱい涙が ポロン ポロン
あまい涙が ポロン ポロン
それが世界中に 散らばって
今では ドロップス
子どもが食べます チュルン チュルン
おとなが食べます チュルン チュルン」(まど・みちお作詞/大中恩作曲)

あの唄好きだったなあ。


|| 15:06 | comments (x) | trackback (x) | ||
YouTubeにて
by 日詰明男
広島の個展「黄金比の鐘楼」の様子をYouTubeにアップロードしました。
ご覧ください。

http://www.youtube.com/watch?v=6TlDF1a3rC0


|| 22:24 | comments (x) | trackback (x) | ||
Golden Bell Tower 黄金比の鐘楼
by 日詰明男
広島での個展の記録をまとめました。
またどこかで展示する機会があればと思います。
特に音楽に注目してください。

http://www.starcage.org/hiroshima/index_j.html


niftyの容量も窮屈になったので、今後、徐々にサイトの引越しをする予定です。
新しいホームページのアドレスは

http://www.starcage.org/

です。
時々覗いてください。


茶室内部


|| 13:31 | comments (x) | trackback (x) | ||
広島での個展が始まります
by 日詰明男
6月12日から17日まで広島のGallery Gなるところで個展を開きます。

http://www.starcage.org/hiroshima/hiroshima.html

ギャラリー内に高さ5mほどの孟宗竹の茶室を建てます。
茶室内に自由にお入り下さい。
見上げた眺めは黄金比の葉序そのもの。
音や光を最も効率よく乱反射します。

内部空間は大人が7人ほど車座になれる広さです。
茶室といっても茶を点てるわけではありません。
黄金比の音楽を点てる。
低周波を鳴らすことができる特殊なスピーカーを壁に仕込み、茶室全体を黄金比の音色、黄金比の音階、黄金比のリズムでガランゴロンと響かせる趣向です。

未知の音楽との第一種接近遭遇。

刻一刻と変化する悠久の音楽をおたのしみください。

お近くの方はぜひお出かけ下さい。

フィボナッチ茶室

茶室内部


|| 22:44 | comments (x) | trackback (x) | ||
思考する自然 完全版
by 日詰明男
小噺。

「星は内部で錬金術を行っている。つまり星もまた思考する。」
「おいおい、あんまり星を擬人化するなよ。星はそんなちっぽけなものじゃない。」

*****

というわけで、「思考する自然」の全文を下記からダウンロードできるようにしました。ご一読を。
icc.pdf (24kb)


|| 01:07 | comments (x) | trackback (x) | ||
デザインと科学
by 日詰明男
InterCommunication誌No.60(NTT出版)デザイン/サイエンス特集に「思考する自然」と題して寄稿しました。
図版多数です。
日ごろデザインについて思うところを述べています。
http://www.nttpub.co.jp/ic/ic001.php

実はオリジナル原稿は長文だったのですが、紙面の都合でそれを10%に縮めました。
舌足らずと感じられるかもしれません。

後日全文を何らかの形で公開しようと思っています。


|| 14:36 | comments (x) | trackback (x) | ||


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