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SF風ナンセンス小噺
by 日詰明男
福島原発の反省から、国家の威信をかけ、未来のありうべきエネルギー政策を、権威においても誠実さにおいても、絶大なる信頼を得ているひとりの科学者に一任することになった。
そしてその科学者は世界の期待に応えるべく、万が一、いや億が一のことがあっても安全な「究極の原発」を設計した。
それは地下10キロを超える深さに建設される原発だった。
それほどの深さならばどんなに過酷な事故が起こっても、地上に被害は及ばないからである。
世界中の人々は彼のアイデアを賞賛した。

だがひとりの哲学者がそれに異を唱えた。「それなら地熱発電の方がましだ」と。

科学者はあらためてコストを計算すると、たしかに哲学者の言うとおりだった。

科学者は考え直し、新たに、オゾン層を越える高さの衛星軌道に原発を建設し、地上に電力を供給するシステムを発明した。
それほどの高さならばどんなに過酷な事故が起こっても、地上に被害は及ばないからである。
世界中の人々は彼のアイデアを賞賛した。

ところが、ふたたび哲学者はそれに異を唱えた。「それなら太陽光発電の方がましだ」と。

科学者はあらためてコストを計算すると、たしかに哲学者の言うとおりだった。

そして科学者は、地熱発電と太陽光発電こそ「明るい未来の持続可能なエネルギー」だと言い始めた。
世界中の人々は「彼が言うならそうなのだろう」と納得した。

ところが、ふたたび哲学者はそれに異を唱えた。「暖をとるなら、木や竹や草や家畜の糞を燃やした方がましだ」と。

その後その科学者は世俗を離れ、死ぬまで数論の研究に没頭し、素数に関するいくばくかの業績を残したとのことである。

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