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東電の工程表はやはり空想科学的作文
by 日詰明男
17日、東電による福島第1原発事故の収束に向けた工程表の発表があった。

しかしなぜ東電が?

原発は絶対安全だと言い続け、数々の事故を隠蔽し、無数の原発労働者を犠牲にし、3.11後も大本営発表や御用学者を使ったマスコミ情報操作で誤魔化してきたこの一私利益追求会社にこの国の未来を託していいのか?
技術的に見ても東電に事態収拾の能力はない。
彼らは外国産オートマチック自動車の単なる運転手であったにすぎない。
業務上過失で人身事故を起こした運転手自身に、大破した車のエンジン修理をさせるようなものである。
東電ができることはせいぜい中央制御室に明かりを灯すところまでである。
彼らがどんなに楽観的な作文を書いてもまったく効果は期待できない。
おそらく数ヵ月後には「やっぱり循環冷却できませんでしたー」と再び泣きを入れるにきまっている。
その数ヶ月間の作業員の被爆、放射線物質の流出という犠牲を払ってなお、依然振り出しに戻っていることに国民は呆然とするだろう。

菅首相はそれを「一歩前進」と評価している。
政府首脳の精神状態もこの逆境に耐えるほど強靭ではないのだろう、思考停止から錯乱状態に陥っている。
選手として、体力的にも精神的にも限界にきているのだろう、このような状況での判断は、近視眼的で安易な方向に流れやすい。
今こそ選手交代が必要だと思う。
あまりの無策に業を煮やし、満を持す政治家はいるはずだ。

私がもし首相だったら、飯田哲也氏のような人に全権委任し、信頼できる科学者、業者を集めさせ、国民に実態を説明した上で一刻も早く実効性ある対処に当たらせる。彼の言葉ならば私たちの心にも知性にも響くだろう。かつてゴルバチョフの言葉がそうだったように。氏の見解は長期的展望に立ち、弁証法的である。
飯田哲也氏の記者会見。
http://www.youtube.com/watch?v=e8Oefssx0_4

特に原発の是非を問う国民投票はぜひ実現したいものだ。


|| 12:33 | comments (x) | trackback (x) | ||
電気を熱に変えるのは控えよう
by 日詰明男
原発依存から脱するために電気の使い方の見直しをしよう。
一口に言って、電気を熱に変える機器の使用は極力控えるべきである。
冷暖房、厨房器具に電気を直接使うことは、飲料用に処理された上水道をそのままトイレ排水に使うことに等しい。
これには根拠がある。
私は1997年、スイスとドイツでの仕事の際に、TECHNORAMA(テクノラマ)という科学博物館に立ち寄った。Tretgenerator
そこにTretgeneratorという装置があって、来館者が自転車ペダルで発電し、さまざまな電化製品を選択して動かせるものであった。
実際に動かしてみたところ、テレビ、ラジオ、照明はまったく問題なく、動かすことが出来た。
ところが、ビーカーの水を暖める電熱器に切り替えた途端、急にペダルが重くなった。
必死でペダルを漕いだが、水温がわずか1度上がるか上がらない段階で力尽きた。
事ほど左様に、電気を直接熱に変えることは大変効率が悪いのである。

従って、日常的生活において電気の使用は通信、照明、大量公共交通、計算機ぐらいにとどめた方がいいと思う。
南極や宇宙ステーションなどの極地はこの限りではない。

では暖房、厨房はどうするか。
簡単なことだ。薪を燃やすのが一番効率が良い。
たとえば、熟練が必要だが、一合の米を炊くには一合程度の松ぼっくりを燃やせば十分である。
熟練しなくても少々の薪でご飯が炊けるのは殆どの人がキャンプで経験されたことがあるだろう。
しかし、前述のペダル発電機を十数人分増やし、大勢で必死で漕いでも一合炊けるか炊けないかなのである。
「薪を燃やすと二酸化炭素が出て問題だ」と言う人が必ず現れるだろう。
二酸化炭素が出て問題なのは石油や天然ガスなどの化石燃料を燃やした場合である。
薪を燃やす行為は、大気中の二酸化炭素から炭素固定したばかりの植物から炭素を解放させているだけなので何の問題もない。
燃やさずにそのまま腐らせたとしても等量の二酸化炭素はいずれもとの大気中に戻るのである。

冷房はどうするか。冷房は風通しや日陰を基本とし、建築の「設備」ではなく「かたち」で解決する。
日本建築には昔から「建築は夏を旨とすべし」という金言がある。
「断熱」より「風通し」を優先させる。同時にアトピーなどの現代都市病も無くなるだろう。
周囲の緑や中庭も有効だろう。
田舎に移住するのが手っ取り早いが、都市も不可能ではない。
モロッコのフェズは灼熱の砂漠にある人口密集都市だが、エアコンがなくても涼しく生活できていた。居住空間は幾重もの日陰に守られ、中庭や吹き抜けを巧妙に利用して対流を生じさせ、快適な風通しを実現していた。

以上のような限定された電気使用だと、マイクロ発電で十分自給できるだろう。
これから電気も地産地消するようにしなければ。
ひと昔前の京都は琵琶湖疎水の水力だけで市電を走らせたり、西陣の機械を動かしたりしていた。
その規模に戻ればいいだけの話である。


|| 09:49 | comments (x) | trackback (x) | ||
原発設計者上原春男の空想科学と東電の無理心中
by 日詰明男
友人にすすめられて、原発設計者 上原春男氏の福島原発対策を聞いた。
http://www.youtube.com/watch?v=B1aAYwCnRt8

「外付けの循環式の冷却システムを構築せよ」と言う。
しかし、地震直後ならいざ知らず、炉心近くで即死に至る放射線量という状況で、上りと下りのバルブ接続という作業をいったい誰が出来るというのか。
しかも圧力容器も格納容器も穴が開いた状態なのに。
誰かが溶接して穴を塞いでくれるのだろうか。
挙句の果てに、現在開発中の製品をPRする始末。
彼にぜひタイムマシンをついでに発明していただき原発を治してもらいたいものだ。
こういうお気楽空想科学技術者が原発建設を売り込み、量産してきたということだろう。

最近の報道では、

「複数の政府関係者によると、東電幹部は(3月)14日夜、枝野氏、東電を所管する海江田万里経済産業相、原発事故担当の細野豪志首相補佐官に「全面撤退」を打診していた。」
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20110410/Mainichi_20110410k0000e010016000c.html?_p=2

という。
彼らは3号機爆発後、レベル7の危険を悟り、早々にギブアップしていたわけだ。
そしてケツをまくって退散しようとした。
東電は何も知らない日本国民を巻き込んで無理心中しようとしたようなものだ。

首相の喝で、東電は逃げられないと覚悟したようだが、マニュアル人間集団である彼らの能力では、水撒き、新聞紙、オガクズなど、一生懸命やっているというポーズを示すことしかできなかった。
こうした事実上の無策状態が一ヶ月も続いていたわけだ。
この放置は延々と続くのだろうか。

このままだと、いずれ次なる破局が何らかの形で現れるだろう。
起こらなかったとしても「垂れ流し」という緩慢な破局が何年も、何十年も続くだけである。

実効性が期待できる大胆な対策はまだ残されていると思う。
いずれにしてもそれは大きな賭けとなるだろう。
賭けであることを国民に理解してもらった上で決行すべき何事かが。

|| 10:38 | comments (x) | trackback (x) | ||
原発情報チャンネル
by 日詰明男
台風情報や地震情報でいつもやっているように、福島原発に関する一組の情報をデジタル、アナログ、衛星のテレビチャンネルで、常時流しっぱなしにすべきだろう。
一組とは次の情報だ。

福島原発のライブ映像
他国の気象庁で公開されているような全国への放射能雲の飛散履歴と予報
定点放射線量をアメダス式に(毎分)
市町村の土壌と水道の各放射線種の値(毎日)

菅首相よ、こういうことが行政の最低限の仕事だ。
あなたの一声の命令で出来ることだ。
「がんばろー」と精神論を振りかざすのが行政の仕事なのではない。

|| 07:49 | comments (x) | trackback (x) | ||
核分裂火山その後
by 日詰明男
核分裂火山の提案をしたところ、意外に評判が悪い。
「臭い物に蓋」と、安易な逃避と見えるのかもしれない。

京大の小出氏に言わせると、これから何年も水をかけ続け、汚水と汚染された蒸気を放出し続けるしかないと。
そして十分冷えたところで石棺化し、永久立ち入り禁止するというのが、大方の見方だろう。

しかしその間に作業員、ひいては国民、あらゆる生物の命、そして経済が持ちこたえるとは思えない。
どんな解決法も汚染の総量は甚大で五十歩百歩である。
だから地下までは無理としても、せめて大気中と海洋汚染を防ぐ賭けに出るしかないと思って私は書いた。
山で固めるのは新聞紙やオガクズよりはるかにましだろう。

チェルノブイリも最悪だったが、それでも事故10日後には多くの犠牲をはらいつつも石棺化にこぎつけた。
いまだにくすぶっているとはいうが、福島のような大量垂れ流し状態は早々に脱している。
福島はまだ事態収拾のスタートラインにも立っていない。

日本の土木技術なら外国の助けを借りなくても、自力で石棺以上の堅固な山を築けるだろう。
というか皮肉にもこれこそ日本が最も得意とする分野である。
ゴミでできた夢の島を作った実績もある。
巨大な無駄ダムを無数に建設した実績もある。
巨大な山を一夜にして丸ごと削ったことだってある。

最初は中心にチェルノブイリよりはるかに大きな築山を。
それで落ち着けばしめたものである。
それでもほころびはできてしまうだろう。
しかしそれが局所的ならば対策も立てやすい。
いずれは30km直径の裾野を持つ富士山型の山に成長させてもいい。
標高は数百メートル。
直径100kmの汚染された表土をさらっては、中心に集め、何重にも鉛やコンクリートで固め、徐々に層を厚くするわけだ。
人類最悪の産業廃棄物で築かれた「夢の島」ならぬ「夢の山」が永遠にそびえる。

大前研一氏はテントで囲うなんていうアイデアを出しているが、あまりにも構造が華奢だし、そんなデリケートな作業を誰が買って出るだろうか。

|| 15:11 | comments (x) | trackback (x) | ||
日本こそ地質学的にも人材的にも最も危険な核保有国であることが実証された
by 日詰明男
日本こそ地質学的にも人材的にも最も危険な核保有国であることが実証された。

アメリカやフランスなどから何百人も部隊が来ているそうだが、おそらく現場でロボットを駆使して熱心に記録を取っていることだろう。
自国で同じことが起こりうるわけだから。
あるいは核兵器開発の貴重なデータとして。
その間、汚染された蒸気と水は拡散し続けている。
そもそも原発はアメリカの押し売り、MOX燃料はフランスの押し売りで導入された。
広島・長崎と同じ図式である。
JCO事故で被曝した患者をとことん延命治療したのもそうした動機がなかったとは言えない。

日本の原発政策は意図されたものであろうが無かろうが、事実上の地上核(爆発)人体実験である。
浜岡原発を筆頭に、原発を放置することは「未必の故意」以外何ものでもない。

|| 14:33 | comments (x) | trackback (x) | ||
小出裕章氏、今中哲二氏、岩上安身氏
by 日詰明男
原発がいかに愚かな装置であるかを語る京大の小出裕章氏や今中哲二氏の話は傾聴に値する。
http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk&feature=related

岩上安身氏による小出裕章氏インタビュー。
http://www.ustream.tv/recorded/13695456

このインタビューで「国立大の研究者が国にたてつくことで妨害圧力はないのか」という質問に「ない」と答えた小出氏に岩上氏は驚いていたが、おそらく岩上氏は圧力を日常的に受けながら取材を続けているのだと想像する。

小出氏は誠実な科学者として長年原発の危険性を訴え、それを阻止しようとしてきた専門家である。
現状を客観的に把握するために彼の分析は大変有用である。
このような科学者が日本に存在したことは奇跡的だ。
しかし残念ながら、彼は起こってしまった原発事故を収拾する専門家ではない。
多くの草の根メディアが氏に解決策を求めるが、それは氏には酷な質問だろう。
彼にしてみれば「だから言わんこっちゃない」という話なのだから。
彼の立場では、タイムマシンで元に戻り、原発を作る前の日本に戻る以外にないのである。
タイムマシンがない以上、科学者としてはとにかく水を入れて炉心を冷やすしかないとしか言えない。
たとえそれがたれ流しになろうとも。
不確実な見込みを言うことは科学者としての誠実さが許さない。
具体的な対策についてはそれ以上の情報を彼から引き出すことはできないだろう。


|| 14:29 | comments (x) | trackback (x) | ||
松本夏樹氏による「Iconologia politica 断章」補足
by 日詰明男
先の松本夏樹氏による論考「Iconologia politica 断章」の補足がありました。
以下引用。

==============================
日本人はあまりにも歴史観がなく、目前の現象に振り回され過ぎます。僅か140年前の近代化開始すら視野に入れた論評がありません。人間はユングの云う宗教的動物として、表面上は合理性を標榜する如何なる学問も思想もその理不尽な行動を規制する事は出来ず、唯一死を恐れる生物たる人間は、近代主義の云う合理的普遍価値に依ってではなく、文化環境に決定された宗教的表象に従ってのみ行動するのが変わらざる本質であると考えます。従って特に西欧の普遍的価値、思想であれ科学であれ、を主張するものは他文化の異論を結果的に排斥し、それを進歩と称します。それが宗教的表象の機制に無自覚な近代主義です。もっとも反近代主義は良く言っても文化的棲み分けでしかなく、人類共通の普遍的価値も進化も視野にないので、個々の死の不安への宗教的表象からする救いはあっても各文化圏自体は徐々に萎縮し滅亡するでしょう。悲観的ですがこれは有史以来不変です。
アメリカの牧師がコーランを焼いたのをきっかけとして、アフガンの反米暴動とタリバーンのテロで多数の死者が出ました。 牧師はまた焼くそうです。石原都知事の地震天罰発言(もし天罰を受けるべき者がいるとすれば、一度ならず二度までも日本に放射能を浴びせた、石原をその嚆矢とする明治以来の保守主義者でしょう)も同じく、宗教的動物の本質たるイントレランスを示しています。いわゆる進歩主義者は北アフリカの各政権崩壊の激変をフェイスブック革命などと囃したてますが、ITをツールとしていてもその本質はホメイニ革命と同じくイスラム主義です。非寛容な宗教国家アメリカと同じくイランも核武装を目指すのは必然的なので、ユーロ圏神聖ローマ帝国、中華帝国、ピューリタンアメリカと並んで、核武装したサラセン帝国が出現するのでしょう。

==============================
以上引用。


|| 18:15 | comments (x) | trackback (x) | ||
Iconologia politica断章
by 日詰明男
引き続き松本夏樹氏の論考を引用します

以下引用。

=========================
この文章は3 月11日午後 2時50分地震発生の瞬間に、若江漢字さんのミュージアム・ハウスカスヤ発行の冊子に載せる為に送ったものです。先ほどの原発政策の補足としてお読み下さい。

Iconologia politica断章

前教皇ヨハネ・パウロ二世は、二千年紀が終わり新たな三千年紀(新ミレニウム)が始まるとき、ヴァティカンで扉を開く儀式をおこなった。カトリック、プロテスタント、正教の別を問わず、また個々の信仰の有無は別にしても、キリスト教文化圏の全ての人々(人類の四人に一人以上)にとって新ミレニウムは「ヨハネによる黙示録」の終末のイメージと分かち難く結びついている。それは毎年のクリスマスの時期が、信仰とは別にこの文化圏に生きる人々の敬虔な気分と結びついているのと同様である。 その三千年紀の始まりの年の9月11日、世界の盟主たるアメリカの世界貿易センターの二つの塔が、天上からの鉄槌によるかの如く炎に包まれ瞬時に瓦解するさまが、全世界にライヴ中継された。そのイメージは見た者の立場の相違を超えて、黙示録に云う終末の悪の都、世界の富と権力を集め欲望と義人の血の杯に酔い痴れる大淫婦、最後の審判の時に神の怒りの炎によって滅ぶ大いなるバビロンの姿以外ではなかった筈だ。またキリスト教以外
の一神教、ユダヤ教とイスラム教圏(ほぼ人類の四人に一人)でも、神の域に達しようとする人間の傲慢さが罰せられる、あのバベルの塔をそこに見たであろう。
ただキリスト教原理主義者たる清教徒が建国したアメリカの多くの人々の心の中では、凄まじい葛藤が生じたに違いない。神の前にピュアである者が作り出した国家、世界の正義を守るべき富が、神の怒りに滅ぶ大いなるバビロンである筈がない!だが一瞬とはいえ、終末の悪の都を自らに重ねて見させられてしまったという事実は、絶対に許すことの出来ない邪悪な存在、神の国アメリカを攻撃する反キリストの仕業に違いない!ならば再び「十字軍」を、「無限の正義の戦い」(この二つの言葉は、キリスト教原理主義者であるブッシュ前大統領が事件後に発言し、後に撤回した)を開始せねばならない…。
アメリカ人の心の深奥のどこかで、世界の盟主として世の富を集めることへの神に対する清教徒的やましさがあり、その中心たる塔が崩壊するさまは、神に対する傲慢と無限の欲望に鉄槌が下ったのだと、自らを罰する思いが些かなりともあったかも知れない。だが同時に、自らの原理主義ゆえの国外追放を神の約束の地への巡礼と捉えて、初代清教徒をピルグリムファーザースと呼ぶアメリカの、我こそ義人なりとする止みがたい自己肯定は、この疚しさと決して相容れぬものであり、それゆえに敵、邪悪は誰か他者でなければならない。こうした、他の文化圏からみれば病理的としか思われない心の反応が、それだけではないにせよアメリカを実際の軍事行動へと駆り立て、今も続く戦乱を招来した事を考えれば、あのライヴ映像が人類の半数に喚起した聖書的イメージの図像学的解析は、一神教文化とはほとんど無縁な我々にとっても無視する事の出来ないアクチュアルなテーマではなかろうか。
先にクリスマスの敬虔な気分と言ったが、1941年12月8日の真珠湾攻撃は現地時間では7日の日曜日の朝であった。クリスマスを待つ待降節の主日、荒くれ漢の水兵でも故郷の母親が焼いて送ってくれるケーキや、幼い頃クリスマスツリーの下にあったプレゼントを思い浮かべて素直で敬虔な気分になる日曜の朝に、開戦通告もなしにいきなり攻撃して来た者は疑いもなく人間とは呼べない邪悪な存在なのであり、この敵の二つの都市を神の怒りの炎がソドムとゴモラのように焼き尽くして、正義の下にあるアメリカ兵の命がそれで救われたのである…。日本人が、それは違う「ノーモア・ヒロシマ」と如何に言おうが、多くのアメリカ人の心の奥には厳然としてそうした宗教的イメージが存在しているのであり、「リメンバー・パールハーヴァー」とはそうした宗教的憤激を意味するのである。とはいえ、大日本帝国の戦争指導者たちが図像学的解析を基にキリスト教圏独特の心理反応を予期して、クリスマス月の日曜日の攻撃を避けていたとしても、帝国「憲法」とは名ばかりで現人神天皇への信仰を国是とするが如き(それはキリスト教のニカイア信経、クレドに等しい)宗教国家がどこまでその原理主義者的戦争を継続できたかは極めて疑わしい。

=========================
以上引用。

|| 18:08 | comments (x) | trackback (x) | ||
松本夏樹氏の見解
by 日詰明男
友人の松本夏樹氏の見解を、氏の許可の下に転載します。

以下引用。
=========================
日本の原発政策は、朝鮮戦争に原因があります。北朝鮮軍に釜山まで追い詰められた時、マッカーサーは北京に原爆投下をとトルーマンに進言しましたが、大統領はソ連の反撃を恐れて却下、元帥は罷免されました。しかし休戦後、ソ連と中国と北朝鮮への核抑止力として日本に潜在的核保有の力を持たせるようにと、軍の強い要請があり、英雄マッカーサーを罷免した以上、大統領は軍と軍事産業に妥協する必要がありました。当時はまだ大陸間弾道弾が無くB29しか核搭載の方法が無かったので、日本の基地からしか共産圏を攻撃できなかったからです。表の政策では吉田茂の、失業軍人吸収の警察予備隊から自衛隊、裏の政策はアメリカ認可の核制御技術とプルトニウム製造です。そこで50-60年代など大した電力消費がないにも拘わらす、自国で賄える石炭産業を弾圧して石油輸入に転換、そしていよいよ原発や原子力船むつなどの開発政策を進め、燃料ウラン235からプルトニウムを生産する事でアメリカの意に添ったのです。旗振り役は内務省特高上がりで、戦争協力者パージが解けて読売新聞に招かれた正力松太郎で、力道山人気で民放テレビを(家電推進と国民総白痴化)、そして原発で文字通り明るい日本を推進しました。メディアは高度成長期で電力消費が伸びて、資源の無い日本には原発が必要、さらに炭素を出さない原子力はエコだから高い濃縮ウランより廃物利用のプルサーマルをとの論調で一致していますが、広島のウラン型と長崎のプルトニウム型で人体実験したアメリカが許し、冷戦下で推進しなければ、日本のウラン濃縮やプルサーマル原発建造など出来るわけがありません。3号機はMOX燃料です。
11日以後の、特に読売、産経系のテレビに出演した東大、東工大系の原子力関係の専門家はとにかく安全だとのみ発言、ひどいのは1号機爆発の際、あれは意図的に爆破弁で圧力を下げたので大丈夫だとか、病院から避難した患者が被曝していたと報じられると、あれは病院のエックス線管理の杜撰さであるかも知れないと発言していた事です。なぜ東大、東工大系の学者はこうも浅ましいのでしょうか?
数学者なら紙と鉛筆があれば研究出来ますが、原子力研究には実験機器にも何億とかかります。東電と国の金が無ければ先生達は研究室も地位も保てず、教え子を東電と経産省に送り込んで産学官派閥を作る事も出来ません。新聞も民放も電力会社と国に睨まれたら広告料が減るだけではすみません。東工大出身の管総理を事故の重大性を隠して福島原発視察に行かせたのも、また家庭用交流電力の僅かな不足に、直流モーターである電車を大した効果も無いのに運休させて、首都圏機能を人質にして電力不足の不安を煽って原発政策を維持させようとするのも、全てアメリカの黙認を背景とした官僚と東電の仕業です。明治政府はドイツ・アルゲマイネ社の毎秒50回転の発電タービンと、アメリカ・GE社の毎秒60回転の発電タービンの猛烈な売り込み合戦と賄賂に負けて東日本は50ヘルツ、西日本は60ヘルツにしてしまいました。近代化の過程で国家の中に共有出来ない電力配置を有するのは日本だけです。戦後インフラが破壊され、困難ではあってもヘルツを統
一できる唯一の可能性がありましたが、GHQは敢えてそうしませんでした。
救助を名目に太平洋艦隊の空母ロナルド・レーガンが福島沖10キロに急遽派遣されましたが、大型ヘリコプターではなく戦闘機搭載したままでやって来て、微量放射能を測定した直後に沖80キロまで後退しました。米軍にとっての問題は気化したセシウムやヨウ素ではなく、中性子線とプルトニウムの観測です。昭和20年8月の進駐軍の被爆者調査と同じです。
東電の我が身可愛さのみのいじましい事故報告から陸上・海上自衛隊幕僚長の記者会見に変わりましたので、事故対処が軍事行動になったという事です。万が一炉心溶融~臨界から中性子線放射とプルトニウム飛散となったら軍は直ちに防衛ラインを80キロ後退させて人もモノも出入り禁止とします。そのために陸上自衛隊特殊武器処理部隊(核兵器部隊)と戦車を派遣しています。軟弱な政治家などには不可能な、極めて有能な軍事官僚の実践的挙国一致行動なので、命がけの救命活動に反論できる日本人はいません。いれば非国民です。
やはりメルトダウンしていたので、チェルノブイリ式石棺化、80キロの広域汚染地帯設置、そして東電国有化という流れなんでしょうね。誰も嫌と言えない国家総動員法的な、欲しがりません勝つまでは、がんばれ日本が不愉快です。鶴見俊輔だけが、日本の脱キリスト教近代化と西南戦争から軍部暴走を経て、二つの原爆と戦後保守政権の延長上にフクシマを検証せよと論じていました。後は、美しい日本の私ガンバレ的センティメントか、例によって東のネット草の根ポピュリズム待望論だけです。

=========================
以上引用。



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